インタビュー

栄養士座談会

  • 関 めぐみ
    関 めぐみ
    AIAI NURSERY 本八幡
    調理担当
  • 新行内 ゆり
    新行内 ゆり
    AIAI NURSERY 綾瀬六丁目
    調理担当
  • 戸邉 あやの
    戸邉 あやの
    AIAI NURSERY 豊四季
    調理担当

保育園における栄養士の役割を教えてください

 健康的な生活のためにまずは安全な食事を提供すること、そして食の楽しさを伝えることだと思います。

戸邉 子どもの成長には、食事による身体の形成が欠かせません。アレルギー、離乳食はもちろん、子どもの発達段階に合わせた食事を考えつつ、食べやすく、食が進むように大きさや固さ、見た目などを気にして調理しています。

 今はコロナ禍で黙食が基本となり、みんなで楽しんで食べる経験が少なくなっています。少しでもみんなと食べる楽しさが子どもの経験から無くならないよう、考えて食育活動も行っています。

新行内 具体的にはどのような活動ですか。

 安全面を考えてコロナ禍以前と同じ形ではできないのですが、テラスでのお弁当給食や、職員が好みの量を盛り付けてあげるバイキング形式などを行いました。

新行内 そういった工夫は子どもたちの食に対する興味を引き出すことにつながりますよね。食を営む力を育むという意味で栄養士の役割は大きいと思います

調理業務や食育活動をする上で大切にしていることは何ですか?

戸邉 保育士と話をしたり、保育室での食事の様子を見たりして、自分から子どもの情報を得ることを大切にしています。

新行内 子どもに関する情報共有は重要ですね。職員会議などで、食事に関することだけでなく、遊んでいるときの子どもの様子や発達など様々な情報を保育士と共有することも欠かせないと考えています。

 子どもが食に興味を持ち、食の楽しさを見つけられるように、ということを心掛けています。例えば完食するとか、嫌いなものを一口だけでも食べてみるといったことで、必要な栄養が摂取できたり、達成感を味わえたり、といった側面もありますが、職員に促されてやってみるよりも、できるだけ子どもが自分から「食べたい」と思って食べることができるためにはどうしたらよいだろう、ということを考えています。嫌いな食材も絵本や図鑑で見たり、実物に触ってみたりといったことから少しでも慣れて、親しみが持てるよう、日々の食事以外でも食に関する体験をたくさんしてもらえるように工夫して食育活動を行っています。

AIAI NURSERYはどんな保育園ですか?

新行内 少人数制なので、子どもたちとの距離が近いと感じます。私たち栄養士にとっては調理室を出るとすぐそこに子どもがいる感じですし、子どもたちにとっても調理室は調理の様子を見たり、保育士と一緒に給食を取りに来たりと身近な存在だと思います。居間の横にキッチンがあるような、本当に「もう一つの家」という感じでしょうか。

戸邉 食育活動でも一人ひとりに丁寧に対応しながら行えるので、栽培や調理など一つひとつの体験がいろいろな形で子どもそれぞれの学びや成長につながっていると感じます。

 保護者との距離も近いなと感じます。子どもたちが家で「今日の給食おいしかった」と話すことで、保護者が「レシピ教えてください」と話しかけてくれたりします。

戸邉 そういった会話がきっかけで家庭での子どもの食事の様子などの情報共有ができたりしますよね。家庭との連携は給食の提供や食育活動においても不可欠ですから。

 保護者の方が保育園に子どもを預ける安心にもつながっていると思います。栄養士として、生きていく上での基本ともいえる食の安心を担っている責任を常に忘れないようにしないといけませんね。